「アスベスト」と聞くと、人体に有害な物質で取り扱いが難しく、関係法令も非常に煩雑だという印象を持たれている方も多いのではないでしょうか。
ただでさえ苦手意識が持たれやすい産業廃棄物処理において、アスベストとなると、何から手を付けてよいのか分からないという声が聞こえてきそうです。
たしかにアスベスト廃棄物は処理の手続きや取り扱いに注意が必要ですが、大きな流れは普通の産業廃棄物と同じです。
今回はアスベスト廃棄物の処理の流れと注意点についてわかりやすく解説していきます。
アスベスト廃棄物の処理で注意すべき3つのこと
アスベストの処理において、発生するトラブルやエラーには傾向があります。
具体的に注意しなければいけないポイントを押さえることにより、事前にリスクを減らせます。
ここでは、ミスにつながりやすい注意点について紹介します。
注意点1:廃棄物の分類は何になるか
アスベスト廃棄物は対象となる建材によって、普通産廃と特別管理産業廃棄物に分かれます。
飛散性リスクの低いレベル3と呼ばれる天井材や床材などは普通産廃に分類されます。
対して、飛散性リスクの高いレベル1、2と呼ばれる吹き付け材や断熱材、保温材などは特別管理産業廃棄物に分類されます。
普通産廃か特別管理産業廃棄物かで、処理手続きが大きく変わるため注意が必要です。
・処理業者が必要な許可が異なる
・処理業者と締結する契約書の種類が異なる
・処分費が異なる
・引き渡しの荷姿が異なる 等
必ず、事前にどちらに分類されるかを確認し、適切な手続きを行いましょう。
注意点2:いつまでに処理を完了させなければならないか
工事案件でアスベストが発生した場合、注意すべきことが「いつまでに処理を完了しなければならないか」ということです。
工事には工期が定められており、廃棄物の最終処分まで確認して、竣工するというケースがほとんどです。
アスベスト廃棄物は処理業者によっては処分場へ直行することもあれば、積替え保管を行い、一定量を溜めてから処分場へ出荷するということもあります。
積替え保管の場合、処分場へ出荷されるまでに1ヵ月以上時間がかかる場合もあり、工事の内容や状況によっては注意が必要です。
工期内に処理が完了できる処理業者を選定しましょう。
注意点3:引き渡しまでにしなければならないこと
アスベスト廃棄物を処理業者へ引き渡す際は、飛散しないように必ず梱包しなければなりません。
梱包方法はアスベスト廃棄物のレベルによって異なります。
■ レベル3のアスベスト廃棄物
アスベスト専用袋(厚さ0.15mmのポリ袋)やフレコンバックなどでの一重の梱包で問題ありません。
搬入する処理業者によっては、梱包方法に指定がある場合があるので、事前に確認するようにしましょう。
■ レベル1.2のアスベスト廃棄物
アスベスト専用袋(厚さ0.15mmのポリ袋)での二重梱包が必要です。
一重目を黄色の袋で、二重目を透明の袋で梱包しなければなりません。
袋の色を分けているのは、目視ですぐに二重梱包がされていると分かるようにするためです。
アスベスト廃棄物を処理するまでの流れ
ここでは、実際にアスベスト廃棄物が発生した時、処理までにどのような工程があるのかを紹介します。
※あくまで目安であるため、廃棄する際は事前に処理業者に確認するようにしましょう。
ステップ1:処理業者の選定
廃棄するアスベストのレベルに応じて、処理が可能な処理業者を選定します。
同じアスベスト廃棄物であってもレベルによって対応できるもの、できないものがあったり、処理単価が異なったりします。
ホームページから確認したり、既存でお付き合いのある処理業者に紹介してもらうという方法も有効です。
ステップ2:処理コストの確認
選定した処理業者へ、対象となるアスベスト廃棄物の詳細を送り、見積書をもらいましょう。
また、どこまでの作業を依頼したいのかを明確にして依頼するようにしましょう。
「積み込みは見積りに含まれていない」といったトラブルも多く、作業範囲は明確にしておきましょう。
ステップ3:委託契約書の締結
多くの場合、委託契約書の作成は処理業者で行いますが、自社の契約フォーマットを使用したい場合は、使用可能かを事前に確認するようにしましょう。
ステップ4:引取りの手配
積替え保管をする処理業者の場合は、保管容量の関係で搬入日を調整する場合が多いです。
搬入日に希望があり、予め、廃棄時期が分かっている場合は、先に処理業者へ搬入の相談をするようにしましょう。
ステップ5:処理完了の確認
処分業者からのすべてのマニフェストの返却を確認して、処理完了となります。
積替え保管を実施する場合は、マニフェストの返却までに時間を要する場合があるので注意が必要です。
マニフェストの返却時期がどれくらいになるのかを事前に処理業者へ確認するようにしましょう。
アスベストの処理方法
アスベストの処理方法は「飛散性アスベスト廃棄物(レベル1・2)」と「非飛散性アスベスト廃棄物(レベル3)の処理方法」で大きく異なります。
飛散性アスベスト廃棄物(レベル1・2)の処理方法
飛散性アスベストは、主に2種類の処理方法があります。
・中間処分を行わず、飛散防止の措置を行い、安定型埋立処分場に埋め立てる
・中間処分(溶解・無害化)を行い、安定型埋立処分場に埋め立てる
非飛散性アスベスト廃棄物(レベル3)の処理方法
非飛散性アスベストは、以下2分類されます。
・中間処分できる場合:溶解・無害化を行う
・上記方法で場合:安定型埋立処分場に埋め立てる
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アスベストの分析についてはこちらの記事でも詳しく解説しておりますので、ぜひご覧ください。
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