PCB助成金を活用して今こそ処理を進めましょう
「会社の倉庫に昔の変圧器があるけど、あれってPCB廃棄物…?」「処理しなきゃいけないのは分かっているけど、費用が高そうで手が出せない…」「そもそも、何をどうすればいいのか、全く分からない…」あなたは今、そんなお悩みを抱えていませんか?
低濃度PCB廃棄物の処分期限(令和9年3月31日)が迫る中、環境省は分析費・処理費の最大半分を助成する制度を創設しました。今回の記事では、この助成金を活用し、費用を抑えて適正処理を進める全手順を徹底解説します。
PCB助成金とは?
この度創設された低濃度PCB廃棄物処理加速化のための助成金制度は、令和7年4月1日から受付が開始されています。この助成金は、中小企業(個人事業主を含む)がPCB廃棄物を適正処理できるよう、分析費と処理費に対して補助率2分の1の額が助成されるものです。
PCB助成金の対象者や対象となる費用については、以下の関連記事で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。
PCB助成金の申請手順3ステップ

※画像引用元:https://www.sanpainet.or.jp/joseikin/page3.html
PCB助成金の活用をミスなく進めるために、申請までの手順を3ステップに分けてわかりやすく解説します。以下の解説に出てくる助成金専門の見積書フォームや詳しい提出手順は以下の専用ページをご覧ください。
▼公益財団法人産業廃棄物処理事業振興財団 低濃度PCB助成金ページ
https://www.sanpainet.or.jp/joseikin/page3.html
STEP1:助成金申請の準備を始める
助成金申請に必要となるのが、処理にかかる費用を明確にした見積書です。助成金申請には、一般的な見積書ではなく、助成金申請に特化した専用の見積書が必要となります。
この専用見積書には、助成金の算出に必要な特定の情報や形式が求められますので、処理業者に見積もりを依頼する際は、必ず「PCB助成金申請用である」ことを伝え、必要な書式や項目を確認してください。
適切な見積書が提出されないと、申請手続きが滞ったり、助成金が認められない可能性もあるため、事前の確認が非常に重要です。
PCB助成金専用の見積書フォーマットは、以下ページ下部の画像にある「見積書」というリンクからダウンロード可能です。

※画像引用元:https://www.sanpainet.or.jp/joseikin/page3.html
STEP2:助成金の申請と交付決定
助成金申請のための書類は、公益財団法人産業廃棄物処理事業振興財団のウェブサイトからダウンロードできます。申請の際は、必ず「助成金交付申請の手引き」を参照し、提出書類のページで必要な書類を確認してください。
▼公益財団法人産業廃棄物処理事業振興財団 低濃度PCB助成金ページ
https://www.sanpainet.or.jp/joseikin/page3.html
産業廃棄物処理事業振興財団のページ下部に、以下のように「申請はこちら」というボタンがあるので、こちらから必要情報や資料の提出を行います。

※画像引用元:https://www.sanpainet.or.jp/joseikin/page3.html
申請書類提出後、財団による審査(交付資格審査など)を経て、交付決定通知書が申請者に送付されます。この通知書を受領後、いよいよPCB廃棄物の分析や処理を実施することができます。
処理費用は、廃棄物の筐体に記載された重量ではなく、処理業者で実際に計量された「実数量」に基づいて精算が行われます。これは助成金の算出基礎を正確にするための措置であり、見積もり時の概算と異なる可能性がある点にご留意ください。
STEP3:処理後の実績報告と助成金の受け取り
PCB廃棄物の分析、漏えい防止措置、収集・運搬、処分が完了したら、実績報告書を提出します。この報告書には、各費用の領収書や、廃棄物処理が適正に行われたことを証明するマニフェストD票などを添付する必要があります。
実績報告についても、申請した同じページの「報告はこちら」というボタンから申請を進めます。

※画像引用元:https://www.sanpainet.or.jp/joseikin/page3.html
提出された実績報告書は財団で審査され、交付要件に合致すると認められた場合、助成金交付額が確定し、【第4号様式】低濃度ポリ塩化ビフェニル助成金交付額確定通知書が送付されます。
この通知書が送付されてから、概ね2ヶ月以内に、実績報告書に記載された指定口座に助成金が振り込まれることで、一連の助成金活用プロセスが完了します。
【モデルケースで解説】PCB助成金でいくらお得になる?

ここでは、PCB助成金を活用した場合の具体的な費用削減効果を、モデルケースを通してご紹介します。助成金の上限額を用いて算出することで、どれだけお得になるか明確にイメージしていただけます。
【モデルケース企業概要】
●処理対象の低濃度PCB廃棄物:トランス1個 (1トン = 1,000kg)
●処理にかかる費用(見積もり額、消費税除く)
・運搬費:192,500円(1車)
・トランス処分費:1,000円/kg
助成対象経費の算出
収集運搬に要する経費の限度額
低濃度PCB汚染廃電気機器(トランス):192,500円/台
このケースでは運搬費1車につき192,500円が計上されており、低濃度PCB汚染廃電気機器1台の運搬費上限額192,500円/台に合致するため、192,500円が助成対象費用となります。
処分に要する経費の限度額
低濃度PCB汚染廃電気機器(トランス):1,000円/kg
トランス1個(1,000kg)の場合:1,000kg × 1,000円/kg = 1,000,000円が助成対象費用となります。
助成対象経費の合計
192,500円(運搬費)+ 1,000,000円(処分費)= 1,192,500円
助成金額の算出
助成対象経費の2分の1の額が助成されます。
1,192,500円 × 1/2 = 596,250円
100円未満の端数は切り捨てとなるため、596,200円が助成金額となります。
つまり、、、
PCB廃棄物処理にかかる合計費用(見積もりベース):
192,500円 (運搬費) + 1,000,000円 (処分費) = 1,192,500円
助成金を活用した場合の助成額:596,200円
排出事業者の実質的な自己負担額: 1,192,500円 – 596,200円 = 596,300円
このモデルケースでは、約60万円の費用が助成金によって削減されることになります。高額になりがちなPCB廃棄物処理費用ですが、助成金を活用することで、大幅な負担軽減が期待できることがお分かりいただけるでしょう。
※ご注意ください!
上記金額はあくまで助成金の上限額に基づいた一例です。実際の現場の所在地、機器の状態、選定する処理業者などにより、単価は変動いたします。詳細な費用や助成金の適用については、オルビー環境へお問い合わせください。
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今回のシミュレーションで、助成金を活用することでPCB廃棄物の処理費用を大幅に軽減できることがお分かりいただけたかと思います。
しかし、「助成金の申請手続きが複雑そう」「どの処理業者を選べばいいか分からない」「自分の廃棄物がPCBか確認したい」といった、具体的な行動に移す上での不安や疑問は残るかもしれません。
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