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2025.11.17
アスベスト

アスベストと石綿(いしわた/せきめん)の違いは?ロックウール、廃石綿との区別を専門家が徹底解説

結論:アスベストと石綿は全く同じ物質を指す

建物の解体やリフォームの検討時に直面する「アスベスト」問題は、その用語の多様性によって、多くの人を混乱させています。

「アスベスト」というカタカナ表記の他に、「石綿(いしわた)」や「石綿(せきめん)」といった漢字表記が飛び交い、さらに「ロックウール」や「廃石綿」などの専門用語も加わるため、すべてが異なる危険な物質なのではないかと不安を抱きがちです。

しかし、最も重要な結論は極めてシンプルです。「アスベスト」「石綿(いしわた)」「石綿(せきめん)」は、呼び方や読み方が異なるだけで、指し示している物質はすべて同一であり、その危険性に違いはありません。

今回の記事では、この基本を押さえつつ、用語の語源や、法律上で区別が必要な物質との違いまでを網羅的に解説します。

アスベストと石綿(いしわた/せきめん)の違い

なぜ複数の呼び方が存在するのか?語源と読み方の違い

同じ物質に対して複数の名称や読み方が存在する理由は、言葉の由来(語源)と日本語としての分類にあります。

名称語源・由来主な使用場面
アスベスト英語(Asbestos)。ギリシャ語で「消すことができない」「不滅の」を意味。ニュース報道、一般会話、企業広告など、社会全般。
石綿(いしわた)日本語の訓読み(大和言葉)。「石からできた綿」という見た目そのままの呼び名。古くからの呼称、一般会話。
石綿(せきめん)漢字の音読み。法律、行政文書、学術的な論文、専門家同士の会話など。

それぞれどんな場面で使い分けられる?

呼び方の違いは、指し示す物質の違いではなく、使用される場面や文脈の違いを反映しています。

呼び方主な読み方使用される場面・文脈
アスベストアスベストニュース報道、一般消費者向けの解説、日常会話、企業の広報活動。
石綿せきめん法律・行政文書(石綿障害予防規則、大気汚染防止法など)、専門家同士の会話、公式な届出書類。
石綿いしわた古い図面、一般的な会話。

したがって、建物の解体業者やアスベスト分析機関が「せきめん」という言葉を使っても、それは法律に基づいた正式名称を使用しているだけであり、「アスベスト」と何ら区別する必要はありません。 

どの言葉が出てきても、危険性レベルは同じであると認識することが重要です。

アスベスト/石綿の呼び名の違いに関するよくある質問

アスベスト分析

Q1. 呼び方によって、指しているアスベストの種類に違いはありますか?

A1. いいえ、ありません。

「アスベスト」も「石綿(せきめん)」も、法律で規制されているクリソタイル、アモサイト、クロシドライトなど、6種類の繊維状鉱物すべてを包括的に指す言葉です。

呼び方を変えたからといって、特定の種類の石綿だけを指すわけではありません。

Q2. なぜ法律では「せきめん」という読みに統一されているのですか?

A2. 厳密な定義と一貫性を持たせるためです。

学術用語や法律用語では、曖昧さを排除し、意味を厳密に定義するために、漢語由来の音読みが慣習的に使われる傾向があります。これにより、行政や司法の解釈にブレが生じるのを防いでいます。

Q3. 業者と話すときは、どの言葉を使えば良いですか?

A3. どの言葉でも問題なく通じます。

最も一般的で伝わりやすいのは「アスベスト」です。もし専門的な知識を示したい場合は「せきめん」を使うのも良いですが、コミュニケーションの円滑さを考えれば、普段使い慣れている言葉で十分です。

岩綿(ロックウール)と石綿(アスベスト)の違い

名称や用途が似ていますが、岩綿(ロックウール)と石綿(アスベスト)は、安全性と成り立ちが根本的に異なります。

名称成り立ちと分類安全性評価(IARC)規制の有無
石綿(アスベスト)天然鉱物繊維グループ1(発がん性がある)2006年より使用禁止
岩綿(ロックウール)人造鉱物繊維(玄武岩などを溶解して生成)グループ3(発がん性に分類できない)使用可能(ただし、粉じん障害防止規則は適用)

最も大きな違いは「発がん性と繊維の大きさ」

アスベストは天然に産出する繊維が極めて細かいため、容易に肺の奥深くにまで到達し、中皮腫などの原因となります。IARCによって「発がん性がある(グループ1)」と確定的に分類されています。

一方、ロックウールは人工的に生成された繊維であり、アスベストに比べて繊維が太く、比較的呼吸器に入りにくい構造です。IARCによる評価も「発がん性に分類できない(グループ3)」であり、安全性が担保されているため、現在も断熱材などとして使用が可能です。

岩綿という漢字表記が似ていても、両者は別物であり、混同は避けるべきです。

【産業廃棄物】廃石綿と石綿含有廃棄物の違い

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同じアスベストを含む廃棄物であっても、その飛散性の度合いによって、廃棄物処理法上の分類と処理方法が厳格に区別されています。この分類の誤りは、法令違反や環境汚染につながるため、最も注意が必要です。

廃石綿(特別管理産業廃棄物)

廃石綿とは、アスベストの含有率が高く、人の接触や振動によって石綿が大気中に飛散するリスクが極めて高い廃棄物を指します。

廃石綿の例

建築物の吹き付け石綿、石綿保温材、断熱材などの飛散性建材。また、これらの除去作業に使用され、石綿が付着しているシートや作業着、マスクなども含まれます。

廃石綿の分類

特別管理産業廃棄物に該当し、最も厳しい処理基準が適用されます。処理前には安定剤や固形材による飛散防止処理が義務付けられ、特定基準を満たす管理型埋立処分などで処分されます。

石綿含有廃棄物(非飛散性廃棄物)

石綿含有廃棄物とは、アスベストを重量の0.1%を超えて含有しているものの、セメントや樹脂などによって固く固定されている非飛散性の建材を指します。

石綿含有廃棄物の例

外壁サイディング、スレート板、石綿含有ケイ酸カルシウム板などの固形建材。

石綿含有廃棄物の分類

特別管理産業廃棄物には該当しませんが、通常の産業廃棄物とは分離して処理しなければなりません。破砕などの中間処理は禁止されており、安定型・管理型最終処分場でそのまま埋め立てるか、溶融施設などで処理されます。

アスベストが「飛散しやすいか(特別管理)」、「固められていて飛散しにくいか(非飛散性)」という点によって、廃棄物の分類と、処分業者に求める基準が大きく変わることを理解しておきましょう。

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「アスベスト」と「石綿」が同じであり、岩綿(ロックウール)や廃棄物の分類とは厳格に区別されるという基本の理解は、法令遵守と安全対策の出発点です。しかし、建材にアスベストが含まれているか、その種類や含有率を特定するには、専門的な分析が不可欠です。

アスベスト含有の有無やリスクを正確に評価することは、その後の工事の安全管理および廃棄物処理の適正化に直結します。

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