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2025.10.28
太陽光パネル

太陽光パネルの「架台」とは?基礎から材質、種類まで徹底解説

太陽光発電の土台「架台」が発電効率と安全性を左右する

太陽光発電を導入する際、パネルの性能や価格に目が行きがちですが、パネルを支える架台こそが、発電システムの長期的な安定性、発電効率、そして耐災害性を左右する土台となります。

架台は、単にパネルを固定するだけでなく、土地の特性や地域の気象条件に合わせて、最適な角度と強度を確保する役割を担います。

今回の記事では、太陽光発電で用いる架台について、その基本的な役割から、基礎の種類、材質ごとの特性、設置場所に応じた種類までを徹底解説します。

太陽光パネルの「架台」とは何か?その重要な役割

太陽光パネルの架台

太陽光パネルの「架台」とは、発電の主役である太陽光パネルを、地面や屋根などの設置場所にしっかりと固定し、支えるための金属製の構造物、いわば発電所の「骨格」です。単なる土台ではなく、その設計や選定はシステムの性能と安全性に直結します。

架台の選定は、設置場所の特性を無視して行うことはできません。地盤強度(N値)、積雪量、年間最大風速、塩害リスクなど、地域の気象条件や地質に合わせた設計と材質を選ぶことが、発電効率の低下や、災害による致命的な被害を防ぐ鍵となります。

太陽光パネルの架台の役割

発電効率の最大化

日光がパネルに垂直に当たるよう、設置場所の緯度や季節、風荷重を考慮した最適な角度でパネルを固定します(例:日本国内の平均的な最適角度は30度)。

外部環境からの保護

台風による強風圧や積雪荷重、地震の揺れなど、外部環境から設備全体を保護する役割を果たします。強度や固定方法が不十分だと、パネルの飛散や架台自体の破損に繋がります。

長期の安定運用

10年〜20年以上の長期運用に耐えうる耐久性をシステム全体に持たせるための基盤となります。

太陽光発電の架台基礎の種類|安定性を確保する2つの工法

太陽光パネルのリサイクル・適正処理

架台を地面に固定するための基礎工法は、大きく「コンクリート基礎」と「杭基礎」の2種類に分けられます。

工法1:コンクリート基礎(高い安定性で長期利用可能)

コンクリート基礎は、その名の通り、架台の土台部分をコンクリートで補強し、極めて高い安定性と強度を確保する工法です。特に地盤が軟弱な場所や、長期にわたる絶対的な安定性が求められる大規模な発電所において採用されることが多く、地盤の強度に大きく左右されにくいというメリットがあります。この基礎は、大きく3つの種類に分けられます。

置き基礎:手軽さと安定性のバランス

一つ目は、コンクリートブロックを地中に埋め込む、あるいは地面に直接置く「置き基礎」と呼ばれるシンプルな方法です。比較的施工が容易で安定性も高いものの、地中に埋め込む場合は穴掘りコストが発生します。

布基礎:列で繋ぎ強度を高める

二つ目は、この置き基礎ブロックを一列に繋げて設置する「布基礎」で、置き基礎よりもさらに強度と安定性が向上しますが、その分コストも高くなります。

ベタ基礎:最高の安定性と強度、コストも最大

そして三つ目は、架台の設置面全体をコンクリートで覆い尽くす「ベタ基礎」で、これは最も高い安定性と強度が得られる反面、コストも最も高くなるため、一般的な建築物で採用されるケースが多いです。

総じて、コンクリート基礎は初期投資が高くなる傾向にありますが、その分、強固な基盤と長期的な安心をもたらします。

工法2:杭基礎(低コスト・短工期を実現)

杭基礎は、地面に直接、様々な形状の杭を打ち込んで架台を支える工法です。コンクリート基礎と比較して、材料費や施工費を大幅に抑えることができ、工期も短縮できるという大きなメリットがあります。このため、広大な敷地を持つ野立ての太陽光発電所などで広く採用されています。杭基礎にも複数の種類が存在します。

一般スクリュー杭:野立てでポピュラーな工法

最もポピュラーなのが「一般スクリュー杭」で、大きなネジ状の杭を専用の杭打機で埋め込む方法です。工事が比較的容易で強度も確保しやすい一方で、地盤の強度(一般的にはN値3以上が目安)に安定性が大きく依存するため、地盤が軟弱な場所には不向きとされます。

大羽スクリュー杭:軟弱地盤にも対応

そこで登場するのが「大羽スクリュー杭」です。これは一般スクリュー杭よりもネジ部分の突起(羽)が大きく、地面への引っ掛かりが強くなるため、地盤が柔らかい農地などでも高い安定性を期待できます。

単管杭・C型杭:コスト重視だが強度に注意

さらに、「単管杭」や「C型杭」といったシンプルなパイプ状の杭を差し込む方法もあり、これらは材料費・施工費が最も安価ですが、上下方向への引っ張り強度に弱く、台風などの強風被害を受けやすい傾向があるため、地盤や気象条件を慎重に考慮する必要があります。

材質ごとの太陽光パネル架台の特徴:コストと耐久性の比較

太陽光パネルのリサイクル・適正処理

架台に使用される主な材質は、「スチール製」「アルミニウム製」「ステンレス製」の3種類です。それぞれコスト、強度、耐久性に大きな違いがあり、設置環境に応じて選択されます。

材質名特徴とメリット注意点とデメリット
スチール製比較的安価。強度が高く重量があるため、積雪や風圧に強い。亜鉛メッキなどの処理を施せば錆びにくくなる。重量があるため施工性が低く、運搬コストもかかる。現場での加工が難しい。
アルミニウム製軽量で施工性が良く、運搬コストを抑えられる。表面処理加工により錆びにくく、撤去時にリサイクルが容易である。スチールやステンレスに比べ強度がやや劣る。強度を保つには複雑な成型が必要となる。
ステンレス製優れた耐久性を持ち、非常に錆びにくいため塩害地域に最適。材質の強度は高い。他の材質に比べてコストが最も高い。重量があり、現場での穴開け加工が難しい。

設置場所に応じた太陽光パネル架台の種類と事業への適用

太陽光パネルの架台

架台は、設置場所の形態に合わせて専用の構造が用いられ、企業の持つ多様な遊休スペースやインフラを有効活用する鍵となります。

シーン1:施設・倉庫の屋根に適用する架台の種類

施設や倉庫などの事業用建物の屋根に太陽光パネルを設置する際の架台の種類は、屋根材の形式に依存します。

折板屋根架台

工場や大型倉庫で一般的な、折返した形状の金属屋根に設置する架台です。パネルに角度をつけない「平置き型」は低コストですが、効率を優先する場合は角度をつける「傾斜型」が選ばれます。

陸屋根架台

ビルや商業施設で多い、勾配がない平坦な屋根(陸屋根)に設置する架台です。屋根の耐荷重制限を考慮した設計が必要であり、特に風の影響を考慮した基礎(置き基礎など)が採用されます。

スレート・瓦屋根工法

既存の工場や社宅などの屋根材に適した工法で固定金具を設置し、架台を固定します。屋根材に合わせたアンカー工法や支持金具工法などが用いられます。

シーン2:土地・水面を有効活用する特殊架台の種類

企業や土地オーナーが遊休地、駐車場、あるいは水面を複合的に活用するための特殊な架台の種類です。

ソーラーカーポート架台(駐車場活用)

従業員用駐車場や商業施設の駐車場といった広大な敷地の上部に設置する専用架台です。発電した電力を電気自動車(EV)への充電や事業所の自家消費に活用でき、土地の複合利用による収益改善に貢献します。

ソーラーシェアリング架台(農業と両立)

農業を行っている農地の上に支柱を高く立て、農作業に必要な日照を確保しつつ太陽光発電を行うための専用架台です。農作業機械が通れる空間(支柱間隔5〜6m)を確保する構造が特徴で、農業収入と売電収入の両立を目指す事業に適しています。

フロート架台(水面活用)

工場の調整池や遊水地、ダムなどの水面に浮かべて設置する専用架台です。風や雨によって流されないよう、池や湖の底にアンカーで強固に固定する工法が採用されます。

最適な架台の高さとは?事業の安定運用を支えるポイント

太陽光パネルのリサイクル・適正処理

架台の高さは、単にパネルを支えるだけでなく、発電効率と設備の安全性を確保するために重要なポイントとなります。

ポイント1:影・雑草対策

地上設置型の場合、雑草や周辺の構造物、積雪による影がパネルにかかると発電効率が大きく低下するため、その影響を避ける高さを確保することが重要です。

ポイント2:積雪・排水対策

積雪の多い地域では、パネルが雪に埋もれて発電できなくなることを避けるため、100cm以上の高さを確保する必要があります。また、大雨時の排水や水没リスクを回避するための設計も、架台の高さと密接に関わります。

架台の高さを適切に調整することで、年間を通じた発電量を維持し、設備の損傷リスクを軽減します。

最適な架台選定とリサイクルはオルビー環境へ

太陽光パネルのリサイクル・適正処理

太陽光発電における架台は、発電効率の最大化、設備の長寿命化、そして台風や積雪といった災害リスクの低減を担う極めて重要な要素です。架台の選定においては、地盤や地域の環境特性、そして材質の耐久性を総合的に判断することが事業の成功に不可欠です。

しかし、これらの設備も20年〜30年の寿命を迎えた後には、産業廃棄物として処理しなければなりません。その際、適正な処理とリサイクルを行うことが、排出事業者の法的・社会的責任となります。

使用済みパネルを廃棄する際には、「処理費用を抑えたい」「有害物質の適正処理を確実に行いたい」というニーズが発生します。

オルビー環境は、解体、運搬、最終処分までを法令遵守のもと安全かつ効率的に行う専門企業です。関西エリア(大阪、京都、兵庫、滋賀、奈良、和歌山)はもちろんのこと、日本全国のお客様の太陽光パネル廃棄をサポートしております。

太陽光パネルの処理・リサイクルでお困りの際は、ぜひオルビー環境へお気軽にご相談ください。

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