太陽光パネルの「処分」どこに頼む?業者選びが事業の成否を分ける時代
環境負荷の低減や経済的なメリットから普及が進んだ太陽光発電システムですが、その寿命が近づくにつれて太陽光パネルの処分という新たな課題が顕在化しています。有害物質を含む可能性があるため、太陽光パネルは一般ごみとして廃棄できず、専門の処分業者への依頼が義務付けられています。
多くの事業主や個人オーナーが「どこに太陽光パネルの処分を依頼すれば良いのか?」「処分費用はどのくらいかかるのか?」といった疑問を抱えていることでしょう。
今回の記事では、太陽光パネルの処分を検討されている皆様のために、失敗しない処分業者の選び方、適正な処分費用の相場、そして法的な義務について、詳細かつ実践的な内容について徹底解説します。
失敗しない!太陽光パネル処分業者の選び方

太陽光パネルの処分において、「安さ」だけを追求するのは非常に危険です。不法投棄による法的罰則や環境汚染リスクを回避するため、信頼できる業者を見極める具体的なポイントを押さえましょう。
ポイント1:産業廃棄物処理業許可の有無
太陽光パネルの処分を依頼する業者は、都道府県知事から「産業廃棄物収集運搬業許可」と「産業廃棄物処分業許可」の両方を得ている必要があります。無許可業者への委託は、依頼者も罰則対象となるため、許可番号の確認と自治体ウェブサイトでの照合は必須です。
ポイント2:見積もり内容の透明性と内訳の明確さ
適正な処分業者は、見積もり書に解体・撤去、運搬、処分費用の内訳が詳細に記載されています。一式料金や曖昧な表現が多い場合は要注意です。複数社から見積もりを取り、比較検討することで、適正価格とサービス内容の相場感を把握できます。
ポイント3:追加料金に関する事前説明の有無
作業中に屋根の状態悪化などで追加費用が発生する可能性も考慮し、どのような場合に、どの程度の追加費用が発生しうるのかについて、事前に明確な説明がある業者を選びましょう。これにより、予期せぬ出費やトラブルを回避できます。
【残りのポイントはこちらで解説中】
さらに詳細な業者選定のポイント(処理実績、安全対策、環境負荷低減への取り組み、マニフェスト発行、地域の法規制・補助金への理解、アフターフォロー、担当者の対応)については、以下の関連記事をご覧ください。
全国一覧!太陽光パネルのおすすめ処分業者10選

ここでは、太陽光パネルの廃棄・リサイクルにおいて、高い専門性と実績を持つ全国の処分業者を厳選してご紹介します。各社の特徴を参考に、最適なパートナーを見つけましょう。
業者1:東芝環境ソリューション株式会社
東芝グループの環境事業を担うTESCは、リユースパネルの健全性を厳格に評価する診断サービスを既に商用展開しており、このノウハウを基盤として、TREホールディングスの連結子会社であるリバー(リバー壬生事業所)と共同で、リユースパネルの有効性実証に取り組んでいます。
2025年8月稼働予定の自家消費型太陽光発電システムでは、新品パネルとリユースパネルを混合設置し、発電量や安全性を詳細に評価できるようになりました。
リユースパネルの活用による廃棄量削減と、導入時の温室効果ガス排出量削減への貢献を目指すなど、技術的な評価と実証を通じてサーキュラーエコノミーの実現を牽引しています。
業者2:TREホールディングス
廃棄物処理大手「タケエイ」などを傘下に持つTREホールディングスは、グループシナジーを最大限に活用し、太陽光パネルのリユース・リサイクル事業を全国規模で展開しています。
特に福島県相馬市で進める「相馬サーキュラーパーク構想」では、最新のリサイクル技術を導入した総合プラントを構築し、多様なパネルに対応。長野県の信州タケエイでは、廃棄物として中間処理施設に搬入されたパネルから、環境省ガイドラインに基づき検査に合格したものをリユース品として販売するなど、法規制を遵守しつつ廃棄物削減に貢献しています。
東芝グループとのリユースパネル有効性実証にも参画しており、単なる処理に留まらない、資源循環の多角的なアプローチと災害時対応能力が強みです。
業者3:株式会社浜田
関西・関東エリアを中心に、太陽光パネルのリユース・リサイクルで高い実績を持つ専門業者です。2018年12月時点で3万1,783枚のリユース実績と1万4,900枚のリサイクル実績を誇ります。
株式会社エヌ・ピー・シー(NPC)と協働開発した独自の自動解体ラインを導入し、ジャンクションボックス、アルミフレーム、ガラス、セル/EVAシートを効率的に分離。特に、高温のホットナイフでガラスとセルシートを分離する技術により、高純度な板ガラスとセルシートを回収し、リサイクル率を向上させています。
内部破損のないパネルはリユースとして国内外に販売し、リユースできないパネルは高精度に分離・再資源化することで、環境負荷の低い処分を実現しています。
業者4:株式会社エヌ・ピー・シー
太陽光パネル製造装置開発の技術力を背景に、自社でのリサイクル処理も手掛けるユニークな企業です。
同社が開発した「ホットナイフ分離法®」を搭載したリサイクル装置は、愛媛県の松山工場に設置されており、ガラスを割ることなく、金属などの異物が混じらない状態でその他の部材と完全に分離することを可能にします。この高精度な分離技術により、リサイクル率95.1%(松山工場実績値)を達成。
回収されたガラスは高純度で再利用され、その他の部材も最大限に資源化されます。パネルの健全性評価サービスも提供しているため、廃棄かリユースか判断に迷う際にも、専門的な知見に基づいた相談が可能です。
業者5:株式会社リーテム
東京都に東京工場、茨城県に水戸工場を構え、オフィスから家庭まで幅広い廃棄物リサイクルを手掛けるリーテムは、既存の破砕機を有効活用することで低コストでの大量受入れを実現しており、パネルの割れや変形があっても問題なくリサイクル可能です。
埋め立て施設への出荷は行わない「ゼロエミッション型リサイクル」を推進し、環境負荷低減への徹底した姿勢が特徴です。
結晶系、薄膜系、化合物系など多様なパネルの受け入れ実績が豊富で、JPEA(太陽光発電協会)の適正処理可能な中間処理業者にも指定されています。全国からの収集運搬から処理までワンストップで対応できるため、小規模からメガソーラーまで幅広く対応可能です。
業者6:株式会社ダイセキ環境ソリューション
ダイセキ環境ソリューションは、多種多様な産業廃棄物処理で培った豊富なノウハウを活かし、太陽光パネルの処分を総合的にサポートしています。
全国に拠点を持ち、排出事業者からのパネル引き取りから、有害物質の有無を調べる調査・分析、リユース可能なパネルの購入希望者とのマッチング、リサイクル困難物の最終処分までを一貫してサポートする体制を強みとしています。
同社は積替保管施設の活用により、効率的な収集運搬で処理費用の低減を目指し、排出事業者様の処理負荷軽減にも取り組んでいます。
業者7:株式会社リサイクルテック
リサイクルテックは、三菱ケミカルグループの株式会社新菱を株主とする太陽光パネル専門の処理企業で、北九州市に拠点を持ちます。
同社は、使用済み太陽光パネルの「熱分解プロセス」を新たに事業化し、アルミフレームとジャンクションボックスを取り外した後、高温の炉で封止材(EVA)を気化させ、バックシートを削って除去する技術を確立しています。
この革新的な手法により、ガラス表面に何も残らず、ガラスメーカーが新たな板ガラスの原料として使える高品位なガラスカレットを供給することを可能にしました。
AGCが同社のガラスを板ガラスの量産に採用した実績もあり、高精度な熱分解による「ガラスの水平リサイクル」をリードする専門企業として、その技術力と信頼性が際立っています。
業者8:株式会社スナダ
広島県に本社を置くスナダは、広島県初の本格的な太陽光パネルリサイクル事業者として、中国・四国全域、九州・関西の一部まで広範囲に対応しています。50年近い廃棄物リサイクルの歴史を持ち、太陽光パネル専用のリサイクル設備を導入。
アルミ枠外し機、破砕機、ガラス精製機を組み合わせたラインにより、ガラス・セル・バックシートを自動で分離・破砕し、異物混入率1,000ppm以下、精製歩留り88%の高品質なガラスを精製します。
株式会社こっこー、中国電力、中電プラントとの連携を通じて、リユースパネルを用いた太陽光発電所の建設から発電電力供給、そしてリサイクルまでを一体的に進める体制を構築するなど、地域連携による資源循環を推進しています。
業者9:水海道産業株式会社
水海道産業株式会社は、茨城県に本社を置きながら、独自の完全自動化ラインで太陽光パネルの「100%リサイクル」に取り組む先駆的な企業です。
同社の「ガラスわけーるⅢ型システム」は、導線をカットした太陽光パネルをそのまま投入し、アルミ枠、ガラス、バックシート、セルに高精度に分別します。特に、剥離したガラスをガラス精製システムで異物を徹底的に除去し、高品位なガラス製品として再利用。分離・解体した各素材は全て有価物として販売可能であり、JPEA(太陽光発電協会)の適正処理可能な中間処理業者にも指定されています。
設備が「全てグリーン電力」で稼働している点も特徴で、高い技術力と環境意識を兼ね備えた全国対応可能なリサイクルソリューションを提供しています。
業者10:株式会社環境保全サービス
環境保全サービスは、岩手県を拠点に、ソーラーパネルメーカーや設置工事業者からの受託処理に特化した太陽光パネルリサイクル専門処分業者です。
同社は、パネルからのガラス・導線分離・精製を自動化する一体型システムを保有しており、手作業に頼らず効率的かつ高精度なリサイクルを提供します。特に、自動分離ラインによって高品質なガラスや金属部品を回収し、最大限の再資源化を図っています。
地域に根差した専門業者として、東日本における太陽光パネル廃棄のニーズに応え、適正処理と資源循環に貢献しています。
信頼できる太陽光パネル処分業者を選ぶなら「オルビー環境」へ

2030年代の太陽光パネル大量廃棄は、事業者にとって避けて通れない課題です。持続可能な事業運営には、信頼できる処分業者の選定が不可欠となります。
オルビー環境は、太陽光パネルの適正処理・リサイクルに強みを持つ専門企業です。アスベスト・PCB処理で培ったノウハウを活かし、解体から運搬、最終処分までを法令遵守のもと安全かつ効率的に提供します。
私たちは、迅速な対応、コスト効率の高いサービス、そしてきめ細やかなサポート体制でお客様のニーズにお応えします。大手企業にはできない、柔軟な対応力と地域密着型の強みです。
関西(大阪、京都、兵庫、滋賀、奈良、和歌山)を中心に全国対応し、「大手企業と同等の確かな処理品質」と「最適なコスト」を両立したソリューションを実現。
太陽光パネルの廃棄・リサイクルでお悩みの際は、ぜひオルビー環境へご相談ください。



