太陽光パネルは「猛毒」って本当?流れる情報の真偽を解き明かす
「太陽光パネルには毒物が含まれていて危険」「破損すると有害物質が流出する」―そんな情報を見て、不安に感じている方は少なくないでしょう。太陽光発電が地球に優しいエネルギーとして普及する一方で、その裏側にあるリスクについて、正確な情報が伝わっていないのが現状です。
今回の記事では、「太陽光パネルに有害物質が含まれている」という噂の真偽を、専門家の視点から徹底的に解説します。どのような有害物質が、どの種類のパネルに、どれくらいの量含まれているのかを明確にし、正しく理解するための情報を提供します。
太陽光パネルに含まれる有害物質の種類

太陽光パネルに特定の有害物質が含まれているのは事実ですが、その量や種類はパネルのタイプによって大きく異なります。主に鉛やカドミウム、セレン、ヒ素などが挙げられますが、これらはパネルの種類によって含まれるかどうかが変わるものです。
有害物質1:鉛
主に、太陽電池セルを結ぶ電極のはんだ付け部分にごく微量が使用されています。
有害物質2:カドミウム・セレン
シリコン系ではない特定の種類のパネル(化合物系パネル)の半導体部分に、ごく少量が添加されています。
有害物質3:ヒ素
強化ガラスの製造過程で使用されることがあります。
太陽光パネルは本当に危険?有害物質の含有実態

日本では、シリコン系太陽光パネルが市場シェアの約95%を占めています。このタイプのパネルは、主に鉛が使われていますが、その量はごくわずかです。一方、カドミウムやセレンといった物質は、市場シェアの約5%を占める特定の「化合物系パネル」にのみ使用されています。
一部の報道で、あたかも全ての太陽光パネルが有害物質を多量に含んでいるかのような誤解が生まれていますが、実際には、多くのパネルは有害物質を微量にしか含まず、また厳重な構造に覆われているため、通常の使用環境で外部に流出するリスクはほとんどありません。
有害物質による環境・人体への影響と安全対策
適切に製造・管理された太陽光パネルは、通常の使用において有害物質が外部に漏れることはありません。しかし、不適切な取り扱いや事故で破損した場合は、環境や人体への影響が懸念されます。
パネルに含まれる有害物質が、土壌や地下水に溶け出し、食物連鎖を通じて人体に取り込まれる可能性も指摘されており、例えばカドミウムは骨粗鬆症の原因となりうるとも言われています。
とはいえ、一般的に流通しているパネルは日本産業規格(JIS)の厳しい基準をクリアしているため、適切に利用し処分すれば、環境に悪影響を及ぼす可能性は極めて低いでしょう。
有害物質による影響をなくすための安全対策

有害物質のリスクをゼロにするためには、以下の3つの対策が不可欠です。
安全対策1:破損したパネルを放置しない
自然災害などでパネルが破損した場合、そこから水分が浸入し、有害物質が外部に漏れ出すリスクがあります。破損したパネルは、できるだけ早く交換または撤去し、そのまま放置しないことが重要です。
安全対策2:リユースまたはリサイクルする
まだ発電能力があるパネルは、中古品として売却したり、リユース業者に引き取ってもらったりすることが推奨されます。また、寿命を迎えたパネルも、埋め立て処分ではなく、リサイクル業者に依頼して資源として再利用することで、有害物質の拡散を防ぎます。
安全対策3:適切な方法で処分する
太陽光パネルは「産業廃棄物」です。家庭ごみとして出すことはできません。有害物質を安全に処理できる専門業者に依頼し、法令に則って処分することが、環境保護のために最も重要です。
太陽光パネル廃棄問題と今後の課題

太陽光パネルが有害物質を含んでいるという課題は、廃棄問題と密接に関わっています。今後、大量のパネルが廃棄される時代に備え、解決すべき課題がいくつか存在します。
課題1:含有物質の情報提供の不足
現在、メーカーはガイドラインに基づき有害物質の含有状況を公開していますが、ガイドライン策定前の古いパネルについては、情報が不足しているケースが多いです。これにより、適切な処分方法が判断しにくくなっています。
課題2:不適切な管理や放置への対策
災害や事故で破損したパネルがそのまま放置され、有害物質が漏れ出すリスクがあります。また、経済的な理由でメンテナンスや処分が行われない「野良ソーラー」も問題となっています。
課題3:リサイクルコストの高さ
パネルの複雑な構造や有害物質の処理コストから、リサイクル費用が割高になりがちです。これにより、リサイクルが普及しにくいという課題があります。
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太陽光パネルは、その寿命を迎えると産業廃棄物として適切に処理する必要があります。安易な方法で処分すると、不法投棄による厳しい罰則や、環境汚染のリスクに直面しかねません。
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