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2026.02.26
太陽光パネル

太陽光パネルの塩害リスクと対策を徹底解説!海沿いで失敗しない設置・メンテナンスのポイント

四方を海に囲まれた日本において、海岸沿いや沿岸部は太陽光発電の設置場所として非常に魅力的なエリアです。高い建物が少なく、安定した日照を確保しやすいというメリットがある一方で、避けて通れないのが「塩害(えんがい)」の問題です。

潮風に含まれる塩分は、太陽光パネルの金属部分を錆びさせ、パワーコンディショナ(パワコン)の精密回路を破壊し、システム全体の寿命を劇的に縮めるリスクを孕んでいます。

今回の記事では、2026年現在の最新の耐塩害技術や地域ごとの塩害基準、そして大切な資産を守るための具体的なメンテナンス手法についてわかりやすく解説します。

なぜ潮風が壊す?太陽光発電における「塩害」のメカニズム

太陽光パネルの塩害リスクと対策を徹底解説!海沿いで失敗しない設置・メンテナンスのポイント

塩害とは、海から飛来する塩分(主に塩化ナトリウム)が、建物や電気機器に付着することで引き起こされる腐食や劣化の総称です。

腐食と絶縁劣化の仕組み

海水が蒸発して空気中に漂う「海塩粒子」は、湿気を吸うと強い電解質となります。これが太陽光パネルのアルミフレームや架台の金属部に付着すると、金属を酸化させ、急速に錆(腐食)を進行させます。

また、塩分が電気回路に付着すると、電気が本来通るべきではないルートに流れる「トラッキング現象」や、電気を遮断する性能が落ちる「絶縁劣化」を引き起こします。これが、パワコンのショートや発火、故障の直接的な原因となります。

地域によって異なる「塩害地域」の定義と距離の目安

「海から何キロ離れていれば安心か」という基準は、実は地域によって大きく異なります。地形や風向きによって、塩分が運ばれる距離が変わるためです。

地域別の塩害地域目安(一般的な定義)

地域区分海岸からの距離の目安特徴・リスク
岩礁隣接地域波しぶきが直接かかる場所設置不可、または極めて特殊な対策が必要
重塩害地域海岸から200m 〜 500m以内標準品は数年で故障するリスクが高い
塩害地域海岸から500m 〜 2km以内耐塩害仕様の機器選定が必須
一般地域2km 〜 7km以上風向きにより稀に影響が出る程度

日本海側や離島はさらに注意が必要

北海道・東北の日本海側

冬季の強い季節風により、塩分が海岸から7km近くまで運ばれることがあります。

沖縄・離島

常に四方から潮風を受けるため、島全体が「重塩害地域」に該当すると考えるべきです。

瀬戸内海

波が穏やかなため、海岸から1km程度が目安となることが多いです。

塩害が各機器に与える具体的なダメージ

太陽光パネルの塩害リスクと対策を徹底解説!海沿いで失敗しない設置・メンテナンスのポイント

太陽光発電システムは、20年、30年と屋外に晒される設備です。各パーツが受ける影響を見ていきましょう。

太陽光パネル(モジュール)への影響

パネルの受光面は強化ガラスであるため塩分自体には強いですが、アルミフレームの継ぎ目や裏面のバックシートに塩分が蓄積すると、そこから腐食が始まります。また、表面に白い塩の膜(塩化膜)ができると、日射を遮り発電効率が低下します。

パワーコンディショナ(パワコン)への影響

パワコンは「精密機械」です。冷却ファンの隙間から塩分を含んだ湿気が内部に侵入すると、基板が腐食し、動作不良や全損を招きます。塩害地域では「屋内設置」にするか、屋外なら「完全密閉型の耐塩害モデル」を選ぶことが鉄則です。

架台・ボルト・ナットへの影響

システムを支える架台は、最も塩害にさらされる面積が広い部分です。標準的なメッキでは数年で「赤錆」が発生し、強度が低下します。最悪の場合、強風時に架台が破断し、パネルが飛散する重大事故に繋がります。

塩害地域で選ぶべき機器と対策技術

海沿いでの設置を成功させるには、初期導入時の「機器選定」が全てを決めると言っても過言ではありません。

塩害対策1:耐塩害仕様パネルの選定

耐塩害仕様のパネルを展開するシャープや京セラ、三菱、ハンファ等の主要メーカーは、過酷な環境に耐える高度な技術を採用しています。

耐塩害仕様のパネル裏面には3層構造のバックフィルムを施し、微細な塩分の侵入をブロックして内部回路を保護しています。アルミフレームには標準的なアルマイト処理に加え、特殊コーティングを施した強化防蝕フレームを採用しており、金属の腐食を長期にわたり抑制します。

塩害対策2:パワコンの設置場所と工夫

パワーコンディショナは精密機器のため、塩害地域では物理的に潮風を遮断できる屋内への設置が最も効果的です。これにより塩分による基板腐食を完全に防ぎ、寿命を延ばすことが可能になります。

屋内設置が困難な場合は、屋外用の耐塩害モデルを選定します。重塩害対応のステンレス筐体を採用したものや、内部回路を樹脂で固めた完全密閉構造の製品を選ぶことで、過酷な外気から心臓部を保護します。

塩害対策3:高耐食架台の採用

システムを支え続ける架台には、20年以上の耐久性が求められます。海沿いでは、傷がついてもメッキ層が溶け出して腐食を抑える「自己修復機能」を持った高耐食溶融メッキ鋼板(ZAM等)の採用が不可欠です。

これにステンレス製ボルトを組み合わせることで、錆による破断や強度低下を長期間防ぐことができます。

メンテナンスが寿命を左右する!自分で行える塩害対策

太陽光パネルの塩害リスクと対策を徹底解説!海沿いで失敗しない設置・メンテナンスのポイント

耐塩害モデルを導入していても、メンテナンスを怠れば塩分は蓄積します。塩害対策として有効なメンテナンス方法をご紹介します。

メンテナンス1:定期的な洗浄(水洗い)

台風の後や、風の強い日が続いた後は、ホースでパネルや架台を洗い流すことが有効です。

ただし、昼間の熱いパネルに冷水をかけると、ガラスが割れる原因(熱割れ)になります。早朝や夕方のパネルが熱くない時間帯に行いましょう。また、高圧洗浄機はシール材を傷める可能性があるため控えましょう。

メンテナンス2:目視点検の習慣化

ボルトの頭やフレームの端に白い粉(塩)や茶色いシミ(錆)が出ていないかチェックします。早期発見できれば、防錆スプレーなどの軽微な処置で食い止めることができます。

メンテナンス3:専門業者による4年に1度の定期点検

電気的な絶縁抵抗の測定などは自分ではできません。塩害地域では、一般地域よりも点検の重要性が高いため、信頼できる施工業者との保守契約を結んでおくことが推奨されます。

塩害でダメになった太陽光パネルの処理は「オルビー環境」へ

太陽光パネルのリサイクル・適正処理

海沿いでの太陽光発電は、適切な機器選定とメンテナンスさえ行えば、高い日照量を背景に優れた収益を生み出します。しかし、厳しい環境下での運用は、一般地域よりも設備の劣化スピードが早いことも事実です。

20年、30年と運用を続け、役割を終えた設備をどう処理するか。この「出口」まで責任を持って計画することこそが、真の環境経営・サステナブルな暮らしへの第一歩です。

オルビー環境は、関西圏(大阪・京都・兵庫・滋賀・奈良・和歌山)を拠点に、日本全国の太陽光パネル撤去・リサイクルをワンストップでサポートするプロフェッショナルです。

海沿いの厳しい環境で稼働した太陽光パネルの撤去・リサイクルに関することは、ぜひオルビー環境へお気軽にご相談ください。