電気代高騰の正体?「再エネ賦課金」の仕組みから2025年最新の負担軽減策まで
毎月の検針票に記載されている「再エネ賦課金」という項目。年々その金額が上がり、家計や企業経営の大きな負担となっているのを感じている方も多いはずです。
「そもそも再エネ賦課金とは何か?「何のために払っているのか?」「なぜこれほど高くなっているのか?」そして「どうすればこの負担を減らせるのか?」
今回の記事では、再エネ賦課金の基礎知識から計算方法、過去最高値となった2025年度の推移予測、そして個人・法人を問わず実践できる具体的な節約術までを網羅的に解説します。
再エネ賦課金(さいえねふかきん)とは?
再エネ賦課金とは、正式名称を「再生可能エネルギー発電促進賦課金」と言い、太陽光・風力・地熱といった「再生可能エネルギー」で発電された電気を電力会社が買い取るための費用を、すべての電気利用者(国民や企業)が使用量に応じて広く負担する仕組みのことです。
住宅・法人、また契約している電力会社の種類に関わらず、電気を使用しているすべての人に請求されています。
再エネ賦課金の導入には「FIT制度」が関係している

なぜ再エネ賦課金を消費者が負担しなければならないのか?について知るためには、2012年に開始された「FIT制度(固定価格買取制度)」を理解する必要があります。
FIT制度(固定価格買取制度)とは?
再エネで発電された電気を、電力会社が「国が決めた一定価格」で「一定期間」買い取ることを保証する制度です。 再エネ発電は天候に左右されやすく採算が取りづらいため、高い買収価格を保証することで参入企業を増やし、国内の再エネ普及を加速させる狙いがありました。
再エネ賦課金の役割
電力会社が再エネを高値で買い取ると、その原資が必要になります。この買い取りにかかったコストを「再エネ賦課金」として、電気の利用者が平等に負担しているのです。いわば、日本のエネルギー自給率向上と脱炭素化のための「社会全体での投資」ともいえます。
再エネ賦課金の計算方法

再エネ賦課金は、各世帯や企業がどれだけ電気を使ったかによって決まります。
再エネ賦課金の「基本的な計算式」
基本となる計算式は以下の通りです。
【再エネ賦課金(円)=電気使用量(kWh)×再エネ賦課金単価(円/kWh)】
例えば、2025年度の単価(3.98円)で、1ヶ月に400kWhの電気を使用した場合
【400 kWh×3.98 円=1,592 円】が毎月の電気代に加算されます。
再エネ賦課金の単価を左右する3つの要因

再エネ賦課金の単価は、経済産業大臣が毎年度決定し、毎年5月から翌年4月まで全国一律で適用されます。
要因1:買取費用等(プラス要因)
電力会社がFIT制度に基づいて再生可能エネルギーを買い取るために必要な総コストの予想額です。新たに運転を開始する太陽光パネルなどの発電設備が増えるほど、この費用は大きくなり、単価を押し上げる要因となります。
要因2:回避可能費用等(マイナス要因)
「再エネを導入したことで、本来かかるはずだった火力発電の燃料費(石油や天然ガスなど)がどれくらい浮いたか」を指します。
化石燃料が高騰すると
浮く金額(回避可能費用)が大きくなるため、賦課金単価は下がりやすくなります。
化石燃料が安くなると
浮く金額が少なくなるため、賦課金単価は上がりやすくなります。 ※2023年度に単価が一時的に激減したのは、ウクライナ情勢の影響で燃料価格が爆騰し、この「回避可能費用」が膨らんだためです。
要因3:販売電力量(分母の要因)
日本全国の年間総販売電力量の見込みです。省エネの進展などで電気の総使用量が減ると、1kWhあたりの単価は高くなる傾向にあります。
再エネ賦課金の推移:なぜ2025年度は過去最高値なのか?
再エネ賦課金の単価は、制度開始当初から増大し続けています。
| 適用期間 | 賦課金単価(円/kWh) |
| 2012年度 | 0.22円 |
| 2022年度 | 3.45円 |
| 2023年度 | 1.40円(一時的な下落) |
| 2024年度 | 3.49円 |
| 2025年度 | 3.98円(過去最高水準) |
単価変動の理由
2023年度に一時的に下がったのは、ウクライナ情勢等による化石燃料価格の高騰が原因です。市場価格が上がったため、再エネを買い取るための「追加負担分」が相対的に少なくなり、賦課金単価が抑えられました。
しかし、燃料価格が落ち着いた2024・2025年度は、再び再エネ導入量の増加分がストレートに反映され、過去最高値を更新する結果となっています。
再エネ賦課金の対象となるエネルギー
再エネ賦課金制度によって支援されているのは、以下の5つのクリーンエネルギーです。
・太陽光発電: 導入量が最も多く、賦課金上昇の主な要因。
・風力発電: 陸上・洋上の開発が進められている。
・水力発電: 中小規模のダムや河川を利用。
・地熱発電: 24時間安定稼働できるベースロード電源。
・バイオマス発電: 動植物由来の資源を燃料とする。
再エネ賦課金の負担を抑える3つのポイント

賦課金単価自体は全国一律で決まっていますが、「電力会社から購入する電気量を減らす」ことで負担を回避できます。
ポイント1:自家消費型太陽光発電の導入
自社の屋根や自宅に太陽光パネルを設置し、自分たちで使う電力を自給します。 自家消費した電気には、再エネ賦課金がかかりません。 電力会社からの購入量を直接減らすことが、賦課金対策として最も確実かつ効果的です。
ポイント2:蓄電池の併用
日中に余った電気を蓄電池に貯め、夜間に活用します。24時間体制で電力会社への依存度を下げることで、賦課金の支払い額を最小限に抑えられます。
ポイント3:法人向けの減免制度
製造業などで電力使用量が極めて多い特定の事業所(年間100万kWh以上など)は、申請により賦課金の免除・減免を受けられる制度があります。該当する場合は大幅なコストカットが可能です。
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再エネ賦課金は、脱炭素社会やエネルギー自給のために必要な社会コストといえます。しかし、ただ支払い続けるだけでなく、自家消費型太陽光発電の導入などを通じて、賢く負担を軽減していく姿勢が求められています。
しかし、このシステムを真の意味で「持続可能な発電システム」として成立させるためには、役目を終えた太陽光パネルのリサイクルや適正処理という出口戦略までを見据えることが不可欠です。
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