近年、電気代高騰や環境意識の高まりから、太陽光発電への関心が高まっています。しかし、「太陽光発電はやめたほうがいい」という声も耳にし、導入をためらっている方もいるかもしれません。
しかし、本当に太陽光発電は「やめたほうがいい」のでしょうか?導入を検討する際には、噂に流されず、しっかりとした知識を身につけることが大切です。
今回の記事では、太陽光発電のメリット・デメリットを徹底的に解説し、それぞれの懸念に対する具体的な対策をご紹介します。
「やめたほうがいい」と言われる5つの理由とその真実

太陽光発電に対して「やめたほうがいい」という意見が出る背景には、いくつかの共通の疑問点があります。しかし、これらの懸念の多くは、正しい知識と対策で解決可能です。
疑問1:初期費用が高額だからやめたほうがいい?
太陽光発電導入の最大のハードルとして挙げられるのが、初期費用の高さです。確かに、太陽光パネル、パワーコンディショナ、設置工事などを含めると、数百万円単位の費用がかかることもあります。
しかし、かつては高額だった初期費用も、技術革新と市場競争により大幅に低下しています。経済産業省のデータによると、2012年と比較して、2024年にはシステム費用が約30%減少していると報告されています。
具体的な対策は以下の通りです。
対策:補助金制度の活用
国や地方自治体は、太陽光発電や蓄電池の導入を促進するための補助金制度を設けています。これらの補助金を活用することで、初期投資の負担を軽減できます。最新の情報を確認し、積極的に申請を検討しましょう。
対策:0円ソーラー(PPAモデル・リース)
初期費用をかけずに太陽光発電を導入できる「0円ソーラー」という選択肢もあります。これは、事業者が設備の費用を負担し、利用者は月々のリース料金や、発電した電気の一部を事業者に支払うことで、自宅で発電した電気を利用できる仕組みです。初期費用を大幅に抑えつつ、電気代削減効果を享受できます。
疑問2:売電価格の低下で元が取れないからやめたほうがいい?
FIT(固定価格買取制度)による売電価格が年々低下しているため、「太陽光発電を導入しても元が取れないのでは?」と心配する声も聞かれます。
確かに売電価格は低下傾向にありますが、これはシステム導入費用そのものが安くなっていることの裏返しでもあります。重要なのは、売電収入だけに頼るのではなく、「自家消費」をメインに考えることです。
具体的な対策は以下の通りです。
対策:自家消費を最大化する
近年、電力会社からの購入電力が大幅に高騰しています。そのため、太陽光発電で発電した電気を自宅で消費する「自家消費」は、売電するよりも経済的メリットが大きくなっています。日中に発電した電気を効率よく使うことで、高騰する電気代の削減効果を最大限に引き出せます。
対策:蓄電池との併用
蓄電池を導入すれば、日中に発電して余った電気を貯めておき、夜間や悪天候時に利用できます。これにより、電力会社から電気を買う量をさらに減らし、電気代削減効果を最大化できます。また、災害時の非常用電源としても役立ちます。
疑問3:発電量が安定しないからやめたほうがいい?
太陽光発電は天候に左右されるため、発電量が安定しないというデメリットが挙げられます。曇りや雨の日、冬季の積雪などにより、期待通りの発電量が得られないのでは、という懸念です。
太陽光発電が天候に影響されるのは事実ですが、導入前の適切なシミュレーションと、設備の工夫で対策は可能です。
具体的な対策は以下の通りです。
対策:詳細な発電量シミュレーション
導入前に、設置予定地の年間日射量データや屋根の向き・角度などを基に、専門業者による詳細な発電量シミュレーションを行いましょう。これにより、現実的な発電量の目安を把握し、経済効果を正確に予測できます。
対策:高性能パネルの選択
発電効率の高い単結晶パネルや、影の影響を軽減する最適化技術を持つパネルを選ぶことで、限られた日照条件でも効率よく発電できます。
対策:蓄電池の導入
前述の通り、蓄電池を併用することで、発電量の不安定さを補い、安定した電力供給を可能にします。
疑問4:雨漏りなどのリスクがあるからやめたほうがいい?
太陽光パネルを設置する際に屋根に穴を開けるため、雨漏りのリスクを心配する声もあります。施工不良による雨漏りは、家の構造に深刻なダメージを与える可能性があるため、施工業者の選定が最も重要です。
具体的な対策は以下の通りです。
対策:信頼できる施工業者を選ぶ
豊富な実績と高い技術力を持つ業者を選ぶことが不可欠です。施工後の雨漏り保証やアフターフォローが充実しているかどうかも確認しましょう。複数の業者から見積もりを取り、実績や保証内容を比較検討することをおすすめします。
対策:屋根の状態確認
導入前に屋根の状態を専門家に見てもらい、必要に応じて補修やリフォームを検討することも大切です。
疑問5:維持コストがかかるからやめたほうがいい?
太陽光発電システムは一度設置したら終わりではなく、定期的なメンテナンスや、パワーコンディショナなどの機器交換に費用がかかるため、維持コストを懸念する意見もあります。
太陽光発電システムを安全かつ効率的に運用するためには、定期的なメンテナンスが重要ですが、適切に計画すればコストは大きな負担にはなりません。
対策:メンテナンス計画の確認
導入時に、メンテナンス費用や保証内容について業者に確認しましょう。良心的な業者であれば、定期点検や保証が充実している場合があります。
対策:長期保証の活用
多くのメーカーや販売店が、太陽光パネルやパワーコンディショナに対して長期保証を提供しています。これらの保証を活用することで、万が一の故障や不具合発生時の費用負担を軽減できます。
対策:スマートな運用
遠隔監視システムなどを活用し、異常を早期に発見することで、大規模な修理費用を未然に防ぐことができます。
太陽光発電を導入する5つのメリット

「やめたほうがいい」という意見に対する懸念を払拭できたところで、改めて太陽光発電がもたらす大きなメリットを確認しましょう。
メリット1:電気代を大幅に節約できる
太陽光発電の最大のメリットは、自宅で電気を作り、それを消費することで、電力会社から購入する電気量を大幅に削減できる点です。
特に、電気料金が高騰し続ける現在、自家消費による電気代節約効果は絶大です。昼間に発電した電気を家庭内で利用すれば、購入電力を減らし、家計への負担を大きく軽減できます。
メリット2:断熱効果で快適な室内環境
屋根に太陽光パネルを設置することで、屋根自体への日差しを遮り、屋根表面の温度上昇を抑える効果があります。夏場の室内温度上昇を抑制し、冷房負荷を軽減できます。
冬場は屋根からの放熱を防ぎ、室内の保温効果を高めることで、暖房効率の向上も期待できます。結果として、冷暖房費の節約にもつながり、一年を通して快適な室内環境を維持しやすくなります。
メリット3:環境負荷の低減とSDGsへの貢献
太陽光発電は、地球温暖化の原因となるCO2を排出しないクリーンな再生可能エネルギーです。導入することで、家庭や事業活動における環境負荷を大幅に削減し、持続可能な社会の実現に貢献できます。
企業のESG(環境・社会・ガバナンス)経営や、SDGs(持続可能な開発目標)への取り組みとしても重要視されており、企業イメージの向上にもつながります。
メリット4:災害時の非常用電源として機能
地震や台風などの自然災害による大規模停電が発生した場合でも、太陽光発電システムと蓄電池を併用していれば、自宅で電気を自給自足できます。
昼間に発電した電気で最低限の家電(照明、スマートフォン充電、冷蔵庫など)を使用できるため、非常時でも普段と変わらない生活に近い安心感を得られます。
メリット5:売電収入による経済的メリット
売電価格は低下傾向にあるものの、FIT制度の期間中は固定価格で売電が保証されます。自家消費で賄いきれない余剰電力を売電することで、家計にプラスの収入となります。
卒FIT後も、電力会社やRE100企業などが提供する多様な買取プランを利用でき、引き続き売電によるメリットを享受できる可能性があります。
太陽光発電を導入する際の注意点2選

太陽光発電の導入を成功させるためには、メリットだけでなく、注意点もしっかりと理解しておく必要があります。
注意点1:正しい知識を持つこと
高価な設備である太陽光発電は、導入前に基本的な知識を身につけることが重要です。システムの仕組み(パネル、パワコン、蓄電池)、FIT制度と売電(期間、価格、卒FIT後)、補助金制度(内容、申請条件)などを事前に把握しましょう。
注意点2:複数の事業者を比較検討すること
太陽光発電システムの導入は、一社だけの情報で決めず、必ず複数の事業者から見積もりを取り、比較検討しましょう。価格、保証内容(期間、範囲)、アフターサービス(メンテナンス、トラブル対応)、施工実績と信頼性などを多角的に比較することが大切です。
太陽光発電は賢く活用すれば「やめる理由はない」

「太陽光発電はやめたほうがいい」という声は、過去の誤解や不適切な事例に起因していますが、現代では初期費用の低減、自家消費によるメリット拡大、信頼できる業者の増加により、多くの問題が解決されつつあります。
さらに、使用済みとなった太陽光パネルの適正処理・リサイクルの選択肢も充実しており、より持続可能な運営が可能となっています。
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