低濃度PCBの処理方法がわからなくて困っていませんか?
PCB(ポリ塩化ビフェニル)は、かつて多くの工業製品に使用されていましたが、人体への健康被害が明らかになり、法律により処理期限が定められました。高濃度PCB廃棄物は2023年3月末まで、低濃度PCB廃棄物は2027年3月末までに適切な処理を完了しなければいけません。
低濃度PCBは、高濃度と比べるとPCBの含有量が少ないものの、適切に管理しなければ環境汚染や健康被害のリスクを引き起こします。
そこで今回の記事では、低濃度PCBに関する基礎知識から調査、処理の具体的な流れまでをわかりやすく解説します。
PCBとは?低濃度PCBも危険なの?
PCB(ポリ塩化ビフェニル)は、耐熱性や絶縁性に優れた化学物質で、かつては変圧器やコンデンサ、絶縁油などに幅広く利用されていました。
しかし、環境中で分解されにくく、生物に蓄積する特性があるため、健康被害が問題視され、1970年代に製造が禁止されました。
低濃度PCBとは?
低濃度PCBは、PCB濃度が高濃度(5,000ppm以上)と比較して低いものを指しますが、その基準はPCB濃度が0.5ppmを超え、5,000ppm未満とされています。
この低濃度PCB廃棄物は、主に使用済みの変圧器やコンデンサ、廃絶縁油の中に含まれることがあります。
低濃度PCBの「調査」の流れ
低濃度PCBの管理を始める第一歩は「調査」です。以下の手順で行われます。
調査1:使用機器や設備の確認
低濃度PCBの調査を始める第一歩は、対象となる機器や設備を特定することです。低濃度PCBが含まれている可能性が高いのは、1972年から1990年代後半にかけて製造された変圧器、コンデンサ、絶縁油などの機器です。
この期間に製造された電気機器には、PCBを含む可能性が高いため、使用されている建物や設備の製造時期を確認することが重要です。
調査2:サンプル採取
低濃度PCB含有が疑わしい機器が発覚した際には、対象機器や設備からサンプルを採取します。
具体的には、変圧器やコンデンサに使用されている絶縁油、または機器内部の廃棄物から試料を取り出します。この作業は、PCBの飛散や汚染を防ぐため、適切な技術と設備を持った専門業者に依頼した方が安全です。
調査3:分析を依頼
採取したサンプルを専門の分析機関に送ります。
分析機関では、PCBの含有濃度や種類を調査し、報告書を発行します。これにより、対象物が低濃度PCBであるかどうかを正確に判定できます。
調査4:結果の確認
分析結果をもとに、低濃度PCB廃棄物であることが確認された場合、適切な処理計画を立てます。低濃度PCB廃棄物は、産業廃棄物処理業者の中でも、低濃度PCB廃棄物を収集運搬・処理ができる専門業者に委託する必要があります。
また、保管中に機器からPCB含有の油が漏れ出さないように、正しく保管することも忘れずに行いましょう。
低濃度PCBの「処理」の流れ
低濃度PCBが含まれるという結果が出た廃棄物は、以下の流れで処理されます。
処理1:適切な処理施設の選定
低濃度PCB廃棄物を適切に処理するためには、環境省の認定を受けた処理施設を選定する必要があります。低濃度PCB廃棄物の処理は、一般の廃棄物処理施設では行えず、特別な技術や設備を備えた認定施設でなければ対応できません。
低濃度PCB廃棄物を処理できる施設の中にも、油のみしか処理できない施設もあるので、油を含んだ状態の機器の処理を委託する際には、対応可否の確認が必要です。
処理施設を選ぶ際は、低濃度PCB廃棄物の種類や量に応じて、対応可能な施設を選びます。環境省のウェブサイトや自治体の情報を参考に、近隣の認定施設を検索し、事前に問い合わせをして確認しましょう。
https://www.env.go.jp/recycle/poly/facilities.html
処理2:廃棄物の運搬
低濃度PCB廃棄物を処理施設に運搬する際には、法令に基づいた厳格な手順を守ることが求められます。
PCB廃棄物は、環境への影響を防ぐために漏れや飛散を完全に防ぐ適切な梱包と輸送が必要です。これには、専用の容器や袋を使用し、二重梱包が原則です。
運搬作業は、PCB廃棄物の取り扱いに関する知識と資格を持つ専門業者が行います。運搬にあたっては、事前に処理施設と運搬業者との間でスケジュールを調整し、廃棄物の種類や量に応じた適切な車両を使用します。
処理3:処理の実施
処理施設に低濃度PCB廃棄物が搬入されたら、内容物や梱包状況を確認し、PCB濃度や形態に応じた処理方法を選定します。代表的な処理方法には、高温焼却によるPCBの無害化や化学分解処理があります。
処理後は、PCBが完全に分解されたことを確認し、安全基準を満たした上で、無害化された機器本体の最終処分やリサイクルが行われます。処理完了後には報告書が発行され、適正な処理が証明されます。
低濃度PCB処理にかかる費用と期間の目安
低濃度PCBの分析と処理の費用目安
低濃度PCBの調査費用は、1検体あたり数万円が一般的です。収集運搬や処理費用は、廃棄物の量や処理方法によって大きく異なります。
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低濃度PCBを処理するまでの期間
調査から処理完了までの期間は、調査機関の対応スピードや処理施設の混雑状況によりますが、数週間から数か月を見込む必要があります。
手続きや処理施設への順番待ちも考慮する必要があるため、出来るだけ早く取り掛かりましょう。
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