ロックウールはアスベストの代替品?
建築業界では、より便利な性能を持つ建材が次々と開発されています。
かつて耐久性や耐熱性、絶縁性などの高い性能を持つ建材として広く使われていた「アスベスト」ですが、健康への被害があることがわかり、今では新たな使用が禁止されています。
このアスベストと見た目が似ている建材として「ロックウール」が挙げられます。ロックウールとアスベストは見た目が似ているため、混同されがちですが、異なる性質とリスクを持つ物質です。
そこで今回の記事では、ロックウールとアスベストのそれぞれの特徴と違いについてわかりやすく説明します。
ロックウールとは?
ロックウール(岩綿)は、玄武岩やスラグを高温で溶かし繊維化した人工鉱物繊維で、主に断熱材や吸音材として利用されます。
火や湿気、騒音に強く、住宅やビルの壁や天井に多く使われています。1970年代以降、アスベストの代替として広く使用され、発がんリスクが極めて低い安全性が評価されています。
ただし、湿気には弱く、高湿度環境では性能が低下するため、他の断熱材が選ばれることもあります。また、重量があり、設置には落下防止のための高い施工技術が求められます。
アスベストとは?
アスベスト(石綿)は、蛇紋石や角閃石からなる天然の鉱物繊維です。
耐火性や断熱性に優れるためかつて多用されましたが、吸引すると肺がんや中皮腫など深刻な健康被害を引き起こすため、現在では使用が禁止されています。
特に細い繊維が飛散しやすく、体内に残りやすいという特徴が、健康リスクの大きな原因です。
ロックウールとアスベストの違いを徹底比較
ロックウールとアスベストの違いを成分や見た目、建材としての性能、発がん性や健康への影響といった観点から両者を比較し、それぞれの特徴をわかりやすく解説します。
項目1:成分
ロックウールは玄武岩やスラグからなる人工繊維であり、アスベストは蛇紋石や角閃石からなる天然鉱物繊維です。この違いが、両者の性質や人体への影響に大きく関わります。
項目2:見た目
見た目はどちらも繊維状で似ていますが、ロックウールの繊維径は3~10µm、アスベストは0.02〜0.35µmと非常に細かく、飛散しやすいのが特徴です。
見分け方として、指で触れて粉状になるのがロックウールで、砕けにくいのがアスベストです。また、酸に浸した場合、ロックウールは溶けることがある一方で、アスベストは溶けません。
項目3:建材としての性能
ロックウールは断熱性と吸音性に優れ、高湿度や火にも強い一方、湿気には弱いです。アスベストは優れた耐火性と絶縁性が特徴で、かつては火災対策として広く使用されました。
項目4:発がん性
アスベストは高い発がん性があり、吸引すると肺がんや中皮腫のリスクが極めて高くなるため、国際がん研究機関(IARC)では「発がん性あり(グループ1)」に分類されています。
一方、ロックウールは「発がん性に分類しない(グループ3)」とされており、発がんリスクは極めて低いとされています。
項目5:健康への影響
アスベストは人体に吸入されると体内に残り、さまざまな呼吸器疾患を引き起こすリスクが高く、処理や除去に関する厳しい基準が設けられています。
ロックウールも粉塵の吸入には注意が必要ですが、人体への有害性はアスベストほど高くありません。
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アスベストの中でもロックウールに似ているのは「アスベスト レベル1」に分類される、飛散性と健康リスクが高い「吹き付け材」です。
アスベスト レベル1の廃棄物の取り扱いは特に注意が必要で、アスベスト含有が疑わしい段階ですぐに専門機関に相談することが望ましいです。
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