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2024.10.17

アスベストの処理方法とは?廃石綿と石綿含有廃棄物別に正しい処分方法を解説

アスベストは処理方法を間違えると重い罰則対象に

アスベスト(石綿)は、建材や断熱材などに使われてきた素材ですが、健康に深刻な影響を与えるため、2006年以降、新たな使用が禁止されました。

アスベストを含む廃棄物を処理する際にも正しい方法で処理しないと、飛散して人体に悪影響を及ぼす可能性があり、その場合、重い罰則の対象となることもあります。

しかし、アスベストを含む廃棄物の正しい処理方法を知らないという方も多いのではないでしょうか?

そこで今回の記事では、レベル別のアスベストの正しい処理方法や目安となる処理費用について解説します。

アスベストは飛散性により廃石綿と石綿含有廃棄物に分かれる

アスベスト分析

アスベスト廃棄物には、大きく分けて「廃石綿」と「石綿含有廃棄物」という2つのカテゴリーがあります。これらはアスベストが飛散しやすいかどうかで分類されており、それぞれ処理方法が異なります。

廃石綿

飛散性が高く、特別管理産業廃棄物に指定されているもの。

石綿含有廃棄物

飛散しにくいが、依然としてアスベストを含んでいるもの。

次に、これらの廃棄物について、それぞれの処理方法を詳しく解説します。

廃石綿の正しい処理方法

アスベスト分析

廃石綿の概要や収集運搬方法、処理方法は以下の通りです。

廃石綿の概要

廃石綿とは、アスベストを含んでいる廃棄物であり、主に吹き付け石綿や石綿保温材に使われていたものです。飛散しやすく、取り扱いに非常に注意が必要です。特別管理産業廃棄物に分類されます。

廃石綿の収集運搬方法

廃石綿の収集運搬は、飛散を防ぐために以下のような手順で行われます。

  • 廃石綿を他の廃棄物と混ぜないよう、分別して収集する。
  • 廃棄物が飛散したり流出したりしないよう、密閉した容器に収納する。
  • 特別管理産業廃棄物の許可を受けた収集運搬業者が行う必要がある。

廃石綿の処理方法

廃石綿の処理には「中間処理」と「最終処理」という2つの段階があります。

中間処理

廃石綿は無害化処理を行うため、溶融施設で1,500℃の高温で処理します。この処理によって、アスベストはセメントなどの安定した形態に変化し、安全に埋立処分が可能となります。

最終処理

処理が完了した廃石綿は、埋立地に運ばれ、飛散や流出がないよう厳重に管理された場所で埋め立てられます。この際、二重梱包や薬剤処理を施し、さらなる飛散防止対策を講じます。

石綿含有廃棄物の正しい処理方法

アスベスト事前調査

石綿含有廃棄物の概要や収集運搬方法、処理方法は以下の通りです。

石綿含有廃棄物の概要

石綿含有廃棄物とは、建築材料などに0.1%以上のアスベストを含む廃棄物のことです。飛散性は低いものの、適切な処理を行わなければ健康リスクを引き起こす可能性があります。例として、石綿スレートやビニールタイル、石綿管などが該当します。

石綿含有廃棄物は普通産業廃棄物となります。

石綿含有廃棄物の収集運搬方法

石綿含有廃棄物も、廃石綿と同様に飛散や流出を防ぐための対策が必要です。具体的には以下の点に注意します。

  • 廃棄物を砕いたり切断したりしない。
  • 他の廃棄物と混ざらないよう、専用の容器に分別して保管する。
  • 産業廃棄物の許可を受けた業者が、安全に収集運搬することが義務付けられています。

石綿含有廃棄物の処理方法

石綿含有廃棄物は、溶融施設で高温処理を行い、アスベストを安定化させた後、安全な形で埋立処分されます。特に飛散しやすい状態にしないよう、適切な管理が求められます。

最終処理の方法としては、周囲に飛散しないように埋立処分が行われます。

アスベストの処理費用の目安

アスベスト分析

アスベスト処理の費用は、処理する面積や現場の状況によって大きく変わります。国土交通省のデータに基づいた費用目安を以下に示します。

  • 300㎡以下:2.0万円/m² ~ 8.5万円/m²
  • 300㎡~1,000㎡:1.5万円/m² ~ 4.5万円/m²
  • 1,000㎡以上:1.0万円/m² ~ 3.0万円/m²

ただし、処理費用は現場の状況や廃棄物の種類によって変動します。アスベストの処理費用の相場については、以下の関連記事を合わせてご覧ください。

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