自社が管理する物件の中で、不意にPCB廃棄物が見つかったという事例も多々報告されています。PCB廃棄物の処理費用は高額になることが多く、あらかじめ予算を確保していないと、すぐに支払える金額ではない場合がほとんどです。
さらに、PCB廃棄物には政府により「処理期限」が明確に設定されている上に、PCB廃棄物に関する「罰則」も厳しく設定されています。
そこで今回の記事では、PCB廃棄物の処理期限と罰則についてわかりやすく解説します。
PCB廃棄物とは?
まずPCBとは「ポリ塩化ビフェニル」の略称で、人工的に作られた油状の化学物質です。
科学的に安定しており、絶縁性も高いという特徴から、昭和28年(1953年)から昭和47年(1972年)に国内で製造された変圧器・コンデンサーを中心に使用されました。
しかし、PCB廃棄物が人体に与える危険性が明らかになり、昭和47年(1972年)に製造が中止され、PCBが使われた機器が「PCB廃棄物」としての適正処理が求められるようになりました。
PCB廃棄物の処理期限とは?
PCB廃棄物を地球上に残さないために環境省により、濃度別に処理期限が明確に設定されています。
高濃度PCB廃棄物の処理期限
高濃度PCB廃棄物の処理期限は「2022年3月31日」で、すでに処理期限を過ぎています。
まだ保有している方は速やかに管轄行政またはPCB処理の専門家であるオルビー環境にお問い合わせください。
低濃度PCB廃棄物の処理期限
低濃度PCB廃棄物の処理期限は「2027年3月31日」です。
まだ数年の猶予がありますが、PCB処理を先延ばしにすると、駆け込み需要による処理費用の高騰やPCB廃棄物の劣化による漏洩など、様々なリスクにつながる恐れがあります。保有している方は早急に対処しましょう。
PCB廃棄物に関する罰則とは?
PCB廃棄物に関する罰則としては、主に「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下、廃掃法)」と「PCB廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法(以下、PCB特措法)」の2つの法律が適応されています。
それぞれ厳しい罰則が規定されているため、正しく対応して罰則対象とならないように気をつけましょう。
廃掃法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)による罰則
廃掃法とは、廃棄物の排出を抑制、適正処理の推進を行うことで、生活環境の保全・公衆衛生の向上を図るための法律です。
廃掃法では、PCB廃棄物だけでなく、その他全ての廃棄物が対象となっています。
PCB廃棄物に関わる業務において、廃掃法の罰則対象となり得る項目は以下の通りです。
廃掃法による罰則 | |
違反内容 | 罰則 |
不法投棄 | 法人においては1億円以下の罰金 |
無許可業者での処理 | 5年以下の懲役、1,000万円以下の罰金、またはその両方 |
基準不適合な業者への委託 | 3年以下の懲役、300万円以下の罰金、またはその両方 |
特別管理産業廃棄物の管理責任者の不選任 | 30万円以下の罰金 |
マニフェストの虚偽記載 | 50万円以下の罰金 |
PCB特措法(PCB廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法)による罰則
PCB特措法とは、PCB廃棄物を所有する事業者・個人に対して、PCB廃棄物の保管状況の届出や期限内の適正処理などを義務付ける法律です。
PCB特措法に定めされている罰則は以下の通りです。
PCB特措法による罰則 | |
違反内容 | 罰則 |
期限内の不処理 | 3年以下の懲役または1,000万円以下の罰金 |
環境大臣又は都道府県知事による改善命令に違反 | 3年以下の懲役または1,000万円以下の罰金 |
PCB廃棄物の譲渡し・譲受け | 3年以下の懲役または1,000万円以下の罰金 |
保管及び処分状況の無届出、虚偽の届出 | 6か月以下の懲役または50万円以下の罰金 |
相続等によるPCB廃棄物の承継の無届出、虚偽の届出 | 30万円以下の罰金 |
PCB廃棄物を処理する際の3つの注意点
PCB廃棄物に関する業務を行う上で、罰則対象にならないために特に注意すべき点を3つ解説します。
注意点1:保管および処分状況の届出を行う
PCB廃棄物の保有が発覚したタイミングで、都道府県知事(政令で定める市にあっては市長)に届出を行います。さらに、その後もPCB廃棄物の保管および処分状況を毎年報告しなければなりません。
最初に届出をすることは認識していても、毎年の報告をし忘れる方が多いので、十分に注意しましょう。
この際に、届出を怠ったり虚偽の届出をした場合には、PCB特措法において「6か月以下の懲役または50万円以下の罰金」の対象となります。
注意点2:許可を得た処理業者に委託する
PCB廃棄物の処理を委託する際には、PCB廃棄物に関して収集運搬や処分を行える特別な許可を得た業者に委託しなければなりません。
通常の産業廃棄物や特別管理産業廃棄物の許可を得ていても、PCB廃棄物に関する項目は対象外となっている可能性も十分に考えられます。
PCB廃棄物の処理を委託する際には、許可証を確認したり、過去の実績を確認したりすることで、PCB廃棄物に関する許可を正しく得ていることを確認しましょう。
この際に、PCB廃棄物に関する許可を得ていない業者に委託した場合には、廃掃法のおいて「3年以下の懲役、300万円以下の罰金、またはその両方」の対象となります。
注意点3:事前の契約書締結やマニュフェスト発行を行う
PCB廃棄物には処理期限が設定されており、急いで処理を進めなければなりません。
だからと言って、 廃掃法で定められている「事前の契約締結」や「マニフェストの発行」を行わないと「50万円以下の罰金」の対象となります。
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