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PCB廃棄物は一般家庭にもあるの?分析や処理は誰が負担する?

2023.11.06

人体に悪影響を及ぼす可能性があるため、PCBという有害物質を使った「PCB廃棄物」は政府が定める処理期限までに適正処理を進める必要があります。

PCB廃棄物は、大きな工場や施設を中心とした事業者が保有しているケースが多いですが、実は一般家庭でも保有されている可能性があり大変危険です。

そこで今回の記事では、PCB廃棄物が一般家庭にあった場合の対処法について解説します。

PCB廃棄物とは?

PCB廃棄物

PCB廃棄物とは、有害性の高いPCB(ポリ塩化ビフェニル)という人工的に作られた油状の化学物質を含む廃棄物のことを指します。

PCBは絶縁性や耐熱性に優れているため、電気機器の絶縁油や熱交換器の熱媒体など幅広く活用されていました。しかし、人体にPCBが入り込むことで健康被害が出ることがわかり、昭和47年には製造や新たな使用が禁止されました。

PCB廃棄物の主な種類として「安定器」「高圧コンデンサ」「高圧トランス」などが挙げられます。

PCB廃棄物は「高濃度PCB廃棄物」と「低濃度PCB廃棄物」の2種類に分類されています。

その処理期限は高濃度PCB廃棄物は「2022年3月31日」とすでに終了しており、低濃度PCB廃棄物も「2027年3月31日」と期限が迫っています。

PCB廃棄物は一般家庭にもあるの?

PCB廃棄物

PCBが使われている電子機器類は、工業用が中心で一般家庭で使われる電子機器にPCBが含まれることはほとんどありません。

しかし、一部の例外として一般家庭からでもPCB廃棄物が見つかる事例があります。ここでは2つの事例で解説を進めます。

事例1:安定器

PCBが使われた安定器は、ラピッドスタート式やフリッカレス式の蛍光灯器具ですが、これらの器具は一般家庭ではまず使われていません。

しかし、自宅兼店舗として飲食店や美容室を経営していたケースも多々あり、そのような場合には、一般家庭からPCBが含有した安定器が見つかることもあります。

事例2:高圧トランス・高圧コンデンサ

以前に町工場を経営されていた方が廃業されて、その工場で使われていたPCBが含まれる高圧トランスや高圧コンデンサの処理を先延ばしするために、自宅の倉庫で保管していた事例もあります。

PCB廃棄物が法律で定められた当初は、今のようにPCBに関する情報が十分に出回っていなかったため、いつか処理するために一般家庭で保管している方もいました。

一般家庭からPCB廃棄物が見つかったらどうする?誰が処理費用を負担するの?

PCB廃棄物の処理費用

PCB廃棄物とは無縁だと思っていたとしても、古い自宅を改装したり、解体したりする時に、先ほど解説したような事例で一般家庭からPCB廃棄物が見つかることも稀にあります。

この際に「このPCB廃棄物は誰が処理してくれるの?」と疑問を抱くかもしれませんが、PCB廃棄物の処理責任は「所有者」にあります。一般家庭からPCB廃棄物が見つかった場合には、責任を持ってご自身で対処しなければなりません。

PCB廃棄物を処理するまでの流れ5ステップ

PCB廃棄物

一般家庭からPCB廃棄物が見つかった場合には、少しでも早く処理しなければなりません。しかし、具体的に何からすべきかわからないという方も多いでしょう。

そこでここからは、適正処理するまでの流れを5つのステップでわかりやすく解説します。

ステップ1:PCB含有の判断を行う

PCB含有が疑われる古い安定器や高圧コンデンサ、高圧トランスが見つかった場合には、最初にPCB含有の有無を正確に判断する必要があります。

●安定器のPCB含有の判断方法

安定器のPCB含有を判断する方法は主に2種類あります。

種類1:製造年月日からの判定

結果1:PCB使用が禁止された昭和48年(1973年)以降に製造された安定器は、全てPCB廃棄物ではありません。通常の廃棄物として処分します。

種類2:建物の年式からの判断

結果2:昭和52年(1977年)3月までに建築・改修された建物には、PCBが含有した安定器が使われた可能性があります。本体に記載された情報を元にメーカーに問い合わせをして、PCB含有の有無を確認します。

●高圧コンデンサ、高圧トランスのPCB含有の判断方法

電子機器のPCB含有を判断するためには、機器本体に設置されている銘板を確認して、メーカーに問い合わせます。

メーカーからの回答としては3種類の回答が想定され、その後の対応が異なります。

回答1:製造時にPCBを使用している「高濃度PCB廃棄物」に該当

対応1:高濃度PCB廃棄物として行政に届出を行、処理を進める

回答2:メンテナンス時にPCBが混入した「低濃度PCB廃棄物」の恐れがある

対応2:油を分析して、PCB含有の有無を明確にする

回答3:不含有

対応3:PCB廃棄物ではないため、通常の廃棄物として処理を進める

ステップ2:管轄する行政に届出・登録を行う

PCBを含む電子機器を保有している、または、まだ使用している場合は、管轄する行政に届出を行い、年に1度の保管・使用状況の報告を行う必要があります。

ステップ3:適正に保管する

PCB廃棄物を安全に保管するために、大きく分けて3つの保管基準が定められています。

●保管基準1:囲いを設けて安全に保管する

PCB廃棄物の危険性を知らない人が不意に触れては危険です。施錠できる倉庫や保管庫に入れて、他人が立ち入らないように保管しましょう。

●保管基準2:看板を掲示する

60cm角以上の看板に以下の3つの情報を記載し、保管場所の屋外に設置します。

 1.特別管理産業廃棄物の保管の場所

 2.保管する特別管理産業廃棄物の種類

 3.保管場所の管理者(特別管理産業廃棄物管理責任者)の氏名又は名称及び連絡先

PCB廃棄物は、廃棄物の中でも特に危険性の高い「特別管理産業廃棄物」に分類されます。特別管理産業廃棄物を保管するためには「特別管理産業廃棄物管理責任者」の選任が必要です。

各管轄行政が指定している講習会を受けることで取得できる資格が必要ですので、詳しくは管轄行政にお問い合わせください。

●保管基準3:飛散、流出、地下浸透、悪臭が発散しないように保管する

万が一、電子機器が劣化したPCBを含む油が流出しても、広がらないようにドラム缶やステンレス容器などに入れて保管する必要があります。

ステップ4:収集運搬・処分を委託する

PCB廃棄物は誰でも運んだり、処分したりできるわけではありません。それぞれ許可を得た専門業者に処理を委託する必要があります。

高濃度PCB廃棄物と低濃度PCB廃棄物で処理できる業者が異なります。

●高濃度PCB廃棄物の処理業者

高濃度PCB廃棄物は「中間貯蔵・環境安全事業株式会社(JESCO)」でしか処理できません。しかし、高濃度PCBは処理期限をすでに過ぎているため、JESCOでは処分を受け入れられません。

万が一、まだ高濃度PCB廃棄物を保管している方は、速やかに管轄行政またはPCB処理の専門家であるオルビー環境にお問い合わせください。

>>【無料相談】オルビー環境にPCB廃棄物について相談する

●低濃度PCB廃棄物の処理業者

日本全国にある「無害化処理認定施設」で処理を行います。無害化処理認定施設の一覧は環境省にて公開されています。

廃棄物処理法に基づく無害化処理認定施設(環境省)

発生エリアや対象のPCB廃棄物の種類により、適切な処理方法をご提案しますので、詳しくはオルビー環境へお問い合わせください。

ステップ5:処分完了報告を行う

高濃度PCB廃棄物、低濃度PCB廃棄物を問わず、処分が完了した場合には、管轄する行政に「処分完了報告」を行います。

それぞれの管轄行政により、処分完了報告のフォーマットが異なりますので、詳しくは管轄行政の窓口にお問い合わせください。

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一般家庭にあるPCB廃棄物は早めに処分しましょう

PCB廃棄物

PCB廃棄物は処理期限が定められており、厳しい罰則も規定されています。PCB廃棄物を長く保管していても何も良いことはありません。

少しでも安全に処分を進めるためにも、今すぐ処理の手続きを進めましょう。

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