PCB廃棄物は産業廃棄物の中で唯一処理期限が定められている有害物質で、PCB特別措置法という法律もあり、厳重に処理が管理されています。
PCB廃棄物の処理に欠かせないのが「PCB分析」です。
しかし、何でもかんでも分析をかければよいというわけではありません。
今回は、どんなときにPCB分析をかけるべきなのかをわかりやすく解説していきます。
PCB廃棄物と判断するには
PCBは絶縁油として存在するため、その濃度により「高濃度PCB廃棄物」と「低濃度PCB廃棄物」に分類されます。
高濃度PCBであれば、機器の型番やPCBを使用しているというメーカーの見解書により判断ができます。
しかし、低濃度PCBは「意図せずPCBが混入した廃棄物」であるため、分析をして判断するのが一般的です。
メーカー見解書の3つの落とし穴
一般的にPCBがよく使われていた機器として、「トランス」「コンデンサ」「蛍光灯安定器」などがありますが、これらの機器メーカーは、製造時にPCBを使用していたかどうかを公開しています。
機器メーカーの見解書には次のようなものがあります。
注意点1:出荷時にはPCBが含まれていない
一見、問題が無いように思えますが、この見解書は出荷時の段階での見解書であるため、出荷後のことを保証するものではありません。
コンデンサや安定器などは油の入れ替えができない機器なので、メーカーの見解書で不含有であることが判断できます。
しかし、変圧器のようなメンテナンスにおいて絶縁油の入れ替えができる機器に関しては、外部からPCBが混入する可能性があるため、見解書だけではPCB不含有であるかどうかは分かりません。
注意点2:出荷時にPCBが含まれている
メーカーが出荷時に、PCBを含んでいるとしているものは高濃度PCB廃棄物となります。
そのため、含有しているという見解書がありながら分析をしてしまうと分析検体までもが高濃度PCB廃棄物となってしまいます。
PCBが含まれているという見解書がある場合は、分析をしないようにしましょう。
注意点3:出荷時にPCBが含まれている恐れがある
PCBが含まれているか含まれていないか分からないケースです。
必ず分析が必要となります。
機器の年式が新しいから大丈夫?
PCBは1972年に製造中止となっています。
そのため、1972年以降の機器に関してはPCBは含まれていないと思われがちです。
しかし、実際は意図せず混入する可能性も多く、年式だけでは判断できないのが現実です。
実際に2000年代の変圧機から基準値を超えるPCBが検出された例もあります。
機器の年式が新しいからと言って油断しないようにしましょう。
どんなときにPCB分析が必要なのか
PCB分析が必要なケースは次の2つです。
ケース1:絶縁油の入れ替えができる機器の場合
代表的な例が変圧器です。
変圧器は定期的なメンテナンスに伴い、絶縁油の入れ替えが行われます。
その際に、PCBが混入してしまう可能性があります。
変圧器だけでなく、機器の構造上、絶縁油の入れ替えができるものに関してはPCB分析が必要となります。
また、絶縁油の入れ替えができる機器に関しては年式が新しくてもPCB分析が必要であることは覚えておきましょう。
ケース2:PCBが含まれている恐れがあるという見解書がある場合
機器の構造上、絶縁油の入れ替えができない機器であっても、PCBが含まれている恐れがあるという見解書が出ている場合はPCBの分析が必要です。
代表的な例としては、コンデンサーがあります。
注意点として、絶縁油の入れ替えができない機器は、機器本体に穴を空けてサンプル採取を行います。
そのため、対象となった機器は製品として使用することが出来なくなるので、しっかりと処理計画を立てたうえで実施しましょう。
PCBの分析結果がないと、たとえPCB不含有であったとしても処理業者に引き取ってもらえないので注意が必要です。
PCBが含有していないことを証明する書類と共に、処理業者に引き渡すようにしましょう。
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PCBの処理についてはこちらの記事でも詳しく解説しておりますので、ぜひご覧ください。
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